ていねいな暮らしのヒントがつまったエッセイ「おすすめ5選」を無類のエッセイ好きが厳選!

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めみぃ
めみぃ

どーも、めみぃです。

2022年1月14日現在。

そろそろお正月気分から抜け出していてもよい頃なんですが、なんだか余韻から抜け出せずにいます。

年末年始ってなんであんなにソワソワウキウキワクワクドキドキするんでしょうね。

特に今年は、コロナのこともあって数年ぶりに家族みんなが揃うことになったので、余計に。

幼いころは「新年を寝ずに迎えてやるんだ!」と大晦日の年越しに燃えてみたり、元旦には普段見たこともないような巨万の富を手にしてしまったりと、

非現実的とも言っていいほど、特別すぎるイベントでした。

大人になってからも、年末年始にはフワフワ落ち着かない感じがあるものの、あの頃までの激しい感覚はないように思います。

それが大人になるっていうことなんでしょうか。

しかしながら、今年の大晦日は元旦のことを考えるとなんだか気分が高揚してしまって、なかなか眠りにつけませんでした。

そんな2022年の年越しを思い出しながら、

「実は、大人になった今感じる”それ”って、幼少期に感じていた”それ”よりも、もっと特別で貴重なものなんじゃないか…?」

と、そんなことを思ったり思わなかったりしている次第でございます。

長くなりましたね。

やっとエッセイ紹介にいきます。

おすすめエッセイ5選

今日もていねいに。/松浦弥太郎

単行本
文庫本

あの「暮しの手帖」の編集長もされていた松浦弥太郎さんのエッセイです。

このエッセイには、松浦さんが実践している”日々を大切に生きる”ための、具体的な行動のヒントが綴られています。

それらは、決して難しいものではありません。

いくつか抜粋してみました。

一人きりでも「おはよう」と言葉にしましょう。その日一日がぴかぴかになります。

「失敗するのが当然」という前提で、どうやって楽しむかを考えましょう。

心をやわらかくするために、まずは「絶対」「普通」という言葉を禁句にしてみましょう。

今日もていねいに。/松浦弥太郎

こんな感じで、ごくごくシンプルで、すぐにでも実践できるようなものばかりです。

暮らしの中には、普段見過ごしてしまっているだけで、実はすてきな発見がたくさん隠れているものです。

私たちの暮らしは、小さな工夫ひとつでいくらでも豊かになります。

先ほどの年越しの話にも似通ったところがありますが、こどもの頃の私たちは、好奇心に満ち溢れていました。

それが大人として生きることに慣れてくると、毎日はただの繰り返しになってしまうように感じます。

けれど、大人になった今は、こどもの頃好奇心の向くままに大人に尋ねていた答えを、自分自身で探し出すことができます。

自分自身の問いかけに向き合って丁寧に答えれば、自然と毎日が発見で溢れてくるんです。

そのためにも、私たちにとって一人になって自分自身と向き合う時間は、とても大切です。

繰り返される毎日に「こんなものか」と身を任せるうちに、心の矛先を自分自身に向けることを忘れてしまってはいませんか?

一人の時間があってこそ、人との時間も大切にできるものです。

こんな風に自分と向き合いながら、日々の暮らしを豊かにするための知恵がこのエッセイにはぎゅっと詰まっています。

松浦さんが記すヒントをもとに、自分自身に合ったかたちにアレンジして実践することもできます。

日々をていねいに生きるための「秘訣」をぜひ一度覗いてみてください。

持たない幸福論/pha

単行本
文庫本

以前「ゆる旅エッセイ」の記事でもご紹介したphaさんの著書です。

このエッセイ魅力は、phaさん自身の生き方に触れるうちに「たしかに、そんな生き方もあるよね」って思えるところです。

「人にはそれぞれの人生があって当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、読んでみると自分の人生のつまらなさに気付かされます。

こどもの頃からなんとなく、”名のある一流企業に勤めて金銭的に安定する”ことを人生の目標にしているひとって結構いるのではないでしょうか。

ちなみに、私もそう思っていました。

なんでこんなにみんなしんどそうなのだろう?

持たない幸福論/pha

エッセイは、phaさんのこんな言葉から始まります。

phaさんが、現代に生きる人々をみて感じていることです。

”名のある一流企業に勤めて金銭的に安定する”という人生の目標に近づいているはずなのに、生きるのが辛そうな人はなぜか多いように思います。

皆、常に何かに追われているようで、余裕がなくて疲れています。

「人生は人それぞれ」なのに、皆が皆疲れているというのは不思議です。

このエッセイには、phaさんの生き方がそのまま綴られています。

読む人によって感じ方はさまざまだと思いますが、正直なところ、私にはphaさんの生き方を真似することは、できそうにありません。

そこそこの金銭的なゆとりは欲しいですし、仕事をすることで社会とつながっているという安心感も得ていたいです。

でも「こんな生き方、考え方もある」ということに気付けただけで、人生に対する身構え方はかなり変わったように思います。

「人はこうやって生きなきゃいけない」みたいな、規範のようなものに縛られる人生に少しゆとりが生まれたというか。

もしかすると、明日、自分の人生は突然終わってしまうかもしれません。

その瞬間に「あぁあ、つまらない人生だったな…」と思うようでは、この世に未練やらなんやらを残してしまいそうだから、

そうならないために、今日をどう生きるか

読んでいるうちに、私はそんなことを考えていました。

日々の生活のことこれからの人生のことを見つめ直すきっかけになってくれる、おすすめの一冊です。

大サービス/原田宗典

単行本
文庫本

原田宗典さんの何気ない日常を描いたエッセイです。

原田さんのエッセイは、以前にも他の記事でご紹介しているので、良ければこちらも見てみてください。

原田さんの日常は、優しくて温かくて笑えるエピソードで溢れています。

というか、日常の中に潜んでいる優しくて温かくて笑える出来事を、発見するのが上手なのだと思います。

ついさっき「好奇心を持って日々を送ることで人生は豊かになるらしい」ということを書きましたが、原田さんの生き方がまさにそれだなあと感じます。

彼は、普通は見過ごしてしまっても不思議でないような部分まで、その繊細なセンサーで察知して、想像をどんどん膨らませていきます。

そして、エッセイを読み進めるうちに、それは、彼が愛を持って素直な心ですべてのものと向き合っているから、自然にできていることなのだということが分かってきます。

原田さん自身が、そのことに気付いているのかいないのかは分かりませんが、文章からは滲み出してしまっているので、こちらサイドにはダダ漏れです。

またそういう面が、しょーもないエピソードに紛れてたま~に出てくるので、余計に際立っちゃうのです。

ある日訪ねた妹さんの家で、一輪の野花が生けられている様子をみたときの話があります。

花瓶代わりのペリエの空瓶に、そこらの野原で摘んできた名もない花を挿しただけのものだったが、ぼくはその花を本当に可憐だと思った。その美しさは、ぼくにも妹にもよく似合うと感じられたのである。

大サービス/原田宗典

普段、花束を贈られると猛烈に気恥ずかしくなってしまうような、そんな兄が、一輪の名もない野花をみて感じたことです。

真っすぐな心で綴られたこの言葉たちに、原田さんの愛を感じずにはいられませんでした。

そして、原田さんのエッセイには、もう一つの魅力があります。

それは、本を閉じたあともしばらくの間、満された気持ちがほんわか続くところです。

気付けば、ちょっと頬がほころんでいたりして、朝ひとつのエピソードを読むだけで、その日一日を優しい自分で過ごせる気がするんです。

丁寧な暮らしのための具体的なヒントを紹介したエッセイというのもありますが、これは「読んでいるうちに自然と丁寧になっちゃってるエッセイ」という感じです。

原田さんのエッセイは、懐にスッと入り込んでくるような読みやすさも、おすすめしたいポイントです。

「ぐふふふ」と笑いをこらえながら読み進めるうちに、いつの間にやら感情移入している、そんな不思議な感覚を体感してみてください。

お金がなくても平気なフランス人・お金があっても不安な日本人/吉村葉子

単行本
文庫本

次にご紹介するのは、吉村葉子さんの著書。

吉村さんが20年間のパリ生活を通して肌で感じたフランス人について綴られています。

私たち日本人が漠然と抱えている将来への不安や焦りは、フランスにはほとんど存在しないのだと吉村さんは言います。

お金や社会的地位、そんなしがらみから解放されたフランス人の生活は幸福に溢れています。

彼らが営む生活を覗き見ると、そのマインドのヒントが盛りだくさんです。

パリっ子は知っている。週末のマルシェでもとめた新鮮な野菜や果物、焼きたてのバケットが、どれだけ自分たちの生活を豊かなものにしてくれるかということを。

お金がなくても平気なフランス人・お金があっても不安な日本人/吉村葉子

日本はすこし便利になりすぎたのかもしれません。

日々の生活の中で私たちがタダで楽しめる創意工夫という楽しみを、”便利さ”が奪ってしまっているようにすら感じます。

フランス人留学生は皆、日本を訪れて欠乏感を抱くのだそうです。

日本には、購買意欲をそそる魅力的なものがそこかしこに溢れて過ぎていて、自分が貧乏なように思えるのだと。

日本人が漠然と抱える不安の原因は、私たち自身が作り出していたようです。

そして、お金を使わずして自分の心を豊かにする術を知っているフランス人は幸福だと感じます。

フランスの学校では、教科書も持ち物も不揃いが当たり前です。

教科書は代々の先輩から引き継がれた落書きだらけのもの。

体操着も、身体を楽に動かせる服装であればなんでもOK。

中には、お父さんのトランクスを履いて授業を受けた強者もいたのだとか。

みんな違うから、自分が違っていても気にならない。

みんな違うことがフランスでの当たり前です。

日本では、皆が真新しく同じ品をそろって持っている光景が当たり前ですもんね。

このちがいは、ちょっとやそっとでは埋まらないのだろうな~と感じます。

本当の幸せ真の自分らしさとは何か、考えさせられる一冊です。

からだはみんな知っている/カワムラタマミ

文庫本

カワムラタマミさんの著書です。

クラニアルセイクラルで、身体に触れ自らを知るプロセスを紹介しているエッセイです。

クラニアルセイクラルというのは、触れている部分だけでクライアント本人の自然治癒力を高めていく手助けをするもの。

5グラムタッチと呼ばれる10円玉1枚のごくごく軽い圧で、頭、首、背中、仙骨、足にふれて、その人自身の脳脊髄液の水圧リズムを感じ取り、それを左右上下対象になるように働きかけるものだそうです。

こうして書くと小難しいのですが、これを日常的に、簡単に実践できる方法が紹介されています。

そして大切なのは、どんな方法を取ったとしても、身体を整えるのはいつでも”自分自身”だということ。

クラニアルセイクラルは、常に「わたしはわたし、あなたはあなた」の意識の中で進んでいきます。

忘れていた自分を取りもどすとき…

なんだか元気のない夜に…

人間関係に悩んだら…

このエッセイは実践だけでなく、なんらかの障壁に行き当たったとき、自分自身の気持ちに気付かせてくれて、その後の道筋のヒントを与えてくれる言葉で溢れています。

瞬間瞬間の自分の感情をトランクに押しこめることなく、きちんと向き合うことです。それは、とても勇気のいることかもしれません。どんな感情も、自分が感じたことをただ感じて、受け止めることを決意するのです。こころの底にしまっておいた感情のトランクを取り出し、希望や夢をつめて新しい旅に出かけましょう。

からだはみんな知っている/カワムラタマミ

人から指摘されて初めて、自分の本心に気付ける瞬間があります。

その役割をこのエッセイの言葉たちが担ってくれるのではないか、そう思います。

日々を丁寧に過ごすには、まず自分自身が心身ともに豊かでいなければなりませんからね。

さいごに

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

日々を丁寧に生きるためには、毎日の小さな積み重ねも大切ですが、

人生そのものを寛容に受け止めてあげることがとっても大切なんですね。

そう簡単なことではありませんが、本たちの力も借りながら少しずつそうなっていけたらな、と思います。

今回は、この辺でおわります!

それでは、またっ。

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